フラワーショップテラオ

今日、３０度近い真夏日の昼下がりのこと。

「こんにちは～。」

汗びっしょりで来店の、翠松園にお住まいのO様。

庭木の害虫駆除のため、薬剤をお買い求めでした。

しばらくお話した後、O様が袋の中から

四角い包みを出しながら、おもむろに

「明日、あなたお誕生日でしょ？」

「えっ！？いいえ、明日は結婚記念日です。」

「あら～、でもいいわ。はいどうぞ。」

 

手渡された包みは美味しそうな和菓子。

（あれ？でもO様、何で明日の事ご存知なのかな？）

「ありがとうございます！遠慮なくいただきます！」

「ええ、どうぞ。お口に合うかしら？」

 

こんなやり取りののち、O様はお帰りになられました。

 

そういえば、去年の夏、O様のご主人が亡くなられ

初めてご来店いただいた日も、

今日みたいに暑い暑い日でした。

お花をご注文された後、「歩いて帰宅する」と聞いて、

（えっ？あんな遠くまで？）

思わず、「送りますよ、今ヒマですから。」と言ってしまった。

小汚い配達車の助手席にO様を乗せて、

車でも７～８分はかかる、大森の裏手の金城学院大学の

そのまた奥の山の中へと向かいました。

車の中で、「すみませんねぇ、お忙しいのに。」と言われ、

「いえいえ、お年寄りをこんな炎天下に放り出せませんよ。

こんな暑い、しかも山道なのに・・。」

健常な若者が歩いても、３０分はかかるであろう山道を

O様は「毎日歩いているから大丈夫。」　と話す。

 

自宅までお送りして、「ありがとうございました。」と

O様宅を後にしました。

（人に優しく接すれば、いつかいいことあるよなぁ）

なんて、邪（よこしま）なコトを考えておりました。

 

そんなこんなで、その後何度かご注文をいただき、

今日の出来事だったので、すごく嬉しかったです。

誕生日と結婚記念日のカン違いはありましたが、

O様、素敵なプレゼント、ありがとうございました。

 

嗚呼、神様。花屋っていいなぁ。

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